ALVR Linux版を試してみた。
この記事はwindows in ArchLinuxでVRCをRadeonでもやってみたを書いたArchLinuxユーザーが、懲りずにLinuxでVRCをやろうとしたために生まれた記事です。
はじめに
わたしは普段はArchLinuxで生活しているVRChatユーザーです。 HMDにはQuestを使っているので、VRCをやる際は毎回再起動してWindowsを起動して生活しています。
しかし、LinuxでVRCをVRでやりたい欲は常に付き纏います。なのでProtonのVRChat Desktop ClientのIssueやProtonDBのVRChatのページ、ALVRの動向などの情報源は不定期に確認しています。
そしてALVRのLinux supportが進んでることをやや遅れ気味で発見します。
「試すしかないな?」とか言いながらまたも深夜にターミナルを開きました。そうして今があります。
環境
項目 | 値 |
---|---|
OS | ArchLinux |
CPU | Core i5 8600(6C6T) |
RAM | 32GB |
GPU | RX480 |
HMD | Oculus Quest(初代) |
必要なものを入れる
実はALVRはAURにあります。 なのでそれを導入するのですが、普通にやるとビルドがコケるのでひと手間加えます。
具体的にはデフォルトだとffmpegをセットでビルドするのですが、(少なくともわたしの環境では)ffmpegのビルドの段階で絶対に失敗するので、あらかじめ利用できるffmpegを自分でビルドします。
trizen -S ffmpeg-full
AURって便利ね。ちなみにAMD環境ならこっちでもOK。
trizen -S ffmpeg-amd-full
ffmpegのビルドが終わったらAURからALVRを入れるのですが、
trizen -S alvr-git
ここでPKGBUILDを編集して
--bundle-ffmpeg
のオプションを消します。
これでALVRだけがビルドされるようになりビルドが通ります。
ちなみにffmpegを公式リポジトリ版にしてビルドしようとすると、ビルドがコケるので上でffmpeg-full
を入れるのは必須です。
この時点ではまだALVR使えないので起動しないでね。
Steam側の準備
Steamはsteam-native
を利用しないと安定しないのでセットアップします。
sudo pacman -S steam-native-runtime
後は起動してSteam VRを入れればOK。
steam-native
入れた後は一度Steam VRを起動して起動したら閉じてください。 何の効果があるのかは知りませんが、公式に書いてあるので多分正しいです。
Quest側のセットアップ
クライアント側が古いと正常に動かないので更新します。 ここからNightly版ビルドを取ってきて、SideQuestなりADBなりで流し込んでやればOK。
adb install alvr_client_oculus_quest.apk
ファイアウォールの設定
Windows版だとボタン1つでやってくれますが、Linuxだとやってくれないのでやります。 9944と9943を開ければOK。
sudo ufw allow 9944 sudo ufw allow 9943
再起動
わたしが詰った点です。この後ALVRを起動したのですが、Quest側が水色一色のまま動きません。
再起動したら直ったのでこの辺りで再起動必須なのかもしれない。
ALVRのセットアップ
起動したらダッシュボードで設定を以下の通りにします。(公式より引用)
Foveated encoding: OFF
Color correction: OFF
Game audio: OFF
Microphone: OFF
Streaming protocol: UDP
この設定は単純に実装されていないものの無効化です。
Streaming protocol
は人によってはTCP
でもいけるかもーって感じらしいですが、わたしの環境では動きませんでした。
Questとの接続
普通はちゃんと検出されるらしいですが、わたしの環境では検出されなかったので手動で追加しました。
名前の所は自分のHMDの機種名を、ホスト名はHMD側で表示されてるやつを、IPはHMD側でWifiの設定を開くと確認できるのでそれを見て入れればOK。
接続するとALVRが再起動されるのですが、閉じた後勝手に再起動はしてくれないので自分で起動する必要があります。
VRChatにログインする
再起動後、QuestにSteam VR Homeが表示されていれば成功です。
VRChatを起動してログインしましょう。
Video Playerが動かなくて、Radeonでパリピ砲見ても落ちない、ちょっと変わったVRCにVRで、Questで入ることができます。
色合いがおかしいのは現状だと多分仕様です。HMDで見た時もこんな感じでした。
おわりに
試した感想としては、まだ開発中だなって感じでした。 エンコードもGPUでできてるのか怪しくて、CPU使用率が上がると映像がすごく乱れます。
Linuxなのでオーバーレイ系のアプリもほとんど使えないです。
とはいえ、LinuxネイティブでQuestが使えるということ自体そもそも革命に近いので正式リリースが非常に楽しみです。
参考
https://github.com/alvr-org/ALVR/wiki/Linux-Support-development-progress https://github.com/alvr-org/ALVR/wiki/Installation https://github.com/alvr-org/ALVR/wiki/Troubleshooting#alvr-cant-see-my-headset https://github.com/alvr-org/ALVR/wiki/Build-from-source#linux-experimental-build https://github.com/alvr-org/ALVR/issues/726 https://aur.archlinux.org/packages/alvr-git/